適材適所の木の使い方 1
2015年07月14日
No.6 澤田順子
昨日と今日のI・Y邸
第二工場にて、お施主さまご夫婦 仲良く、壁に張る杉板を塗装されました。
かなりの量ですが、お昼すぎには塗装 完了!!!!
夕方には、乾いた板を絶妙のコンビネーションで「チャッチャ」と紐で、荷造りされていました。
愛着のわく、お家になりますね。
現場では、外壁の遮熱透湿防水シート張りが終わり、壁の通気をとる為の縦の胴縁が取り付けられていました。
この後、外壁をとめる為の横胴縁を施工し、焼杉を張る予定です。
シートで囲ったお家の中に入ると、ふぁーっと杉や桧の木の香りがしてきました。
午後のひととき、しばし、癒やされて参りました!
更に、屋根の下の 破風板、鼻隠しの赤身杉板 が塗装されていました。
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「適材適所の木の使い方1」
さて、今日のタイトルの 「適材適所の木の使い方」ですが、上記の破風板・鼻隠しの 「赤身杉板」 というのは、杉の赤くなっている中心部を選んで、製材した板の事です。
赤身は、雨や木を腐らせる菌などに強いので、外気や湿気に触れる所に使います。
これが、高温多湿の地域で、日本の杉・桧を使う一番の理由です。
更に、ここは「びわ湖材」ではなく、「熊野産の杉」を使っています。
赤身白太の説明写真は細い丸太ですが、この赤身部分で破風板等に必要な 「幅が広くて厚みがあって長い部材」にしようとすると、なんと! 樹齢80年以上、直径38cm以上の太くて真っ直ぐな杉の木が必要になります。
戦後70年ですので、それ以前から木を育てている事になりますね。私たちの地域で本格的な植林がはじまったのは、戦後しばらくしてからですので、今の時点では、まだ とても贅沢な使い方と言えます。
と、いう事で、この材木は、江戸時代から太い木を持続的に生産されているという熊野の木を使っています。
昔からの林業地でも、赤身を乾燥させるのはとても難しいそうですが、とてもきれいに仕上がっていました。
ご自分の山の木を製材してストックされていたお施主様のお父様も 「この破風板は、ええ木やなぁ」と、太鼓判を押して頂いていたそうで、うれしい限りです。
次回は、びわ湖材の桧 についてお話したいと思います。